日本語フォントの角を丸くしてイメージを変えてみる
2019/08/04 Illustrator アピアランス, 角を丸くする
だいぶ前ですが、Illustratorでパスのオフセットを重ねがけすることで、アウトラインを取らないまま文字を角丸処理できるよ、という方法を記事にしました。
Illustratorで印刷物風のかすれの描き方
『印刷風の』というタイトルでしたが、このやり方はオフセットの数値を変えれば違ったイメージも出せるので、いくつかバリエーションを作ってみました。
パソコンをWindows8に買い換えたので、画像のフォントは遊明朝と遊ゴシックです。
違うフォントでは再現できないものもありますが、数値を微調整すれば近いものが出来ると思います。
※アウトラインを取らずに文字の書き換えが出来ますが、入稿時には安全のためアウトラインを取って下さい(前回記事及びこの記事の最後の注意事項も参照して下さい)。
※ある程度大きめの文字でやらないとオフセット効果が無効になってかかりません。
いろいろな角丸文字
細めにかけて、眩しいイメージに
文字の背景からライトをあてて、逆光で文字が光にのまれていくような感じ。
イメージは「せつない」「はかない」「残像」「記憶」「フラッシュ」など。
【アピアランス設定】遊明朝Regular 60pt。効果-パス-パスのオフセットを上から順に-0.25mm/0.1mm/0.5mm/-0.5mm(すべてラウンド)。
細めにかけて、図形的に
四角部分の角丸が目立って、カタカタしたクールな感じ。逆にひらがなや斜めの部分は強弱が強調されてややアンバランスさが出ます。
イメージは「未来的」「遊び」「ポップ」など。
【アピアランス設定】遊ゴシックRegular 60pt。効果-パス-パスのオフセットを上から順に0.3mm/-0.5mm/-0.1mm/0.1mm(すべてラウンド)。
ラフ効果とあわせて、印刷かすれふうに
前に紹介したのと同じ、ラフ効果とあわせてところどころ途切れた感じにしたもの。
イメージは「印刷」「コピー」「レトロ」「ヴィンテージ」「活字」「古本」など。ラフをやり過ぎると「ホラー」に近くなります。
【アピアランス設定】遊明朝Demibold 60pt。効果-パスの変形-ラフ(0.5%、60/インチ、丸く)を一番上に、効果-パス-パスのオフセットを上から順に0.25mm/0.3mm/0.4mm/-0.4mm(すべてラウンド)。
わずかに丸めて、親しみやすいイメージに
丸ゴシックまでいくと骨格が可愛すぎるかな?という時の、主張しないくらいの少しの角丸。先端がマッチ棒の先みたいになってかわいい。
イメージは「クリーン」「安全」「子供」「信頼」「分かりやすさ」など。
【アピアランス設定】遊ゴシックRegular 60pt。効果-パス-パスのオフセットを上から順に0.2mm/-0.2mm/-0.3mm/0.3mm(すべてラウンド)。
太めにかけて、ぽってりしたイメージに
文字を溶かしたチョコレートに漬けてから引き上げたような、ひとまわり太い文字。
イメージは「チョコ」「クリーム」「チーズ」「アイス」「はちみつ」「溶け」「熱」など。
【アピアランス設定】遊明朝Demibold 60pt。効果-パス-パスのオフセットを上から順に0.65mm/-0.3mm(すべてラウンド)。
ラフ効果とあわせて、圧力を加えたイメージに
ぎゅっと力強く押したようなにじみ感。
イメージは「スタンプ」「焼き印」「刻印」など。「グランジ」まではいかないので、その場合はPhotoshopが有利。
【アピアランス設定】遊ゴシックbold 60pt。効果-パスの変形-ラフ(0.3%、100/インチ、ギザギザ)を一番上に、効果-パス-パスのオフセットを上から順に0.4mm/-0.3mm(すべてラウンド)。
白い塗りをプラスして、金属の反射ふうに
実験的に作ってみた文字。文字を金属で作って、つやつやと光っている感じ。
イメージは「煌めき」「アクセサリー」「ゴールド」「輝き」「ジュエリー」など。Photoshopの金属のようなリアルさではないけど、何かに使えるかも?
【アピアランス設定】遊明朝Demibold 60pt。効果-パス-パスのオフセット0.1mm(ラウンド)を一番上に、新規塗りで白色を追加。白い塗りだけに効果-パス-パスのオフセット-1mm(マイター)、効果-パスのオフセット0.1mm(ラウンド)と、効果-パスの変形-変形-0.25mm/-0.25mm。
パスのオフセットの角丸の注意点(半円の欠けについて)
パスのオフセットの重ねがけでは時々意図しない白い半円の欠けが出現することがあります。
この半円の欠けは文字にかぎらず、普通のオブジェクトにパスのオフセットを重ねがけでも出ることがあります。
はっきりとは分かりませんが、
・文字などの複合パス(ドーナツ状に空いているパス)
・ライブトレースを拡張した後のような、アンカーポイントが密集しているパス
・ラフ効果をかけた時
・ハンドルが長過ぎたり、ハンドルが他のハンドルに交差しているような曲線パス
などで出やすいです。
ラフ効果の数値をほんのちょっと変えたり、オブジェクトを少しだけ拡大するだけで消えることもありますが、完全にコントロールするのは難しいです。
入稿データにする場合はオブジェクト-アピアランスを分割をかけてパス化できますが、最後にパスの状態で欠けが出てないか、念のためチェックして下さい。